神経性過食症に対する治療法の開発に関する研究へのご協力のお願い
研究課題名：神経性過食症に対する認知行動療法の無作為化比較試験
九州大学倫理委員会審査承認番号：29072
背景・目的・意義
現在わが国では神経性過食症の認知行動療法に対する有効性の検証がなされておらず、標準的な治療法は存在しないという現状があります。そのため日本人の摂食障害患者さんに対しては、どの治療法が有効であるかは明らかではありません。本研究では、神経性過食症の患者さんに対し、過食症に対して現在行われている通常治療と、摂食障害に対する認知行動療法を実施し、効果の比較検討を行います。本研究の目的は、2つの治療法の比較検討を行うことによって、神経性過食症の治療の向上に役立てることです。
研究の対象となる方
1) 神経性過食症の診断基準を満たす方
2) 同意取得時の年齢が18歳以上の方（参加者本人が未成年の場合、同意はご本人にしていただきますが、保護者の承諾を得ていることが必要となります。）
3) 極端にやせていない方（Body Mass Index（BMI）が17.5より大きく、40より小さい方）
4) 日本に在住し、日本語の読み書きができる方
その他、いくつかの条件がありますので、上記を満たしていても研究の参加ができない場合もありますことをご了承ください。
研究方法
患者さんがこの研究に参加することに同意された後、治療方法を決めます。患者さん は、「通常治療」と、「摂食障害に対する認知行動療法」どちらかひとつの治療方法に割り振られます。この研究では、患者さんの治療方法は自動のシステムにより「無作為（ランダム）に決める方法」で決められます。これは、患者さんがどちらの治療法になるのか、患者さんご自身や担当医師が決めるのではなく、誰の意思も入らないように決める方法です。この方法は、どちらが良いかわかっていない治療方法を比べるためにはもっとも良い方法と考えられ、世界中の研究で採用されています。
認知行動療法は、最初の4週間は週に2回、1回50分程度のセッションを外来で行います。
治療期間中合計4回の評価のためのアンケートあるいは面接を行います。治療開始後80週間後に最後のアンケートと面接を行います。
なお、研究にご協力いただいた方にも、通常の診療同様医療費が発生し、ご自身でのご負担いただきます。
研究期間
2022年3月31日まで
本研究の実施体制
試験責任者：教授・須藤 信行
試験分担者：診療講師・髙倉 修、助教・波夛 伴和、助教・山下 真、助教・富岡 光直、医員・戸田健太、大学院生・麻生 千恵、技術職員・藤井 悠子、技術職員・野口 敬蔵、技術職員・足立友理
この臨床試験は、以下の施設で実施される共同試験です。
国立精神・神経医療研究センター 研究責任者 安藤 哲也
東北大学 研究責任者 福土 審
東京大学 研究責任者 吉内 一浩
国立国際医療研究センター国府台病院 研究責任者 河合 啓介
国立国際医療研究センター 研究責任者 菊地 裕絵
個人情報の保護について
この臨床試験の結果は、学会発表や論文での報告、特許などに使用しますが、あなたご自身のプライバシーに関する秘密は全て厳守します。氏名などの個人を特定する情報は、報告に当たって一切使用しません。本試験で得られた試料・情報は、「九州大学 人体から取得された試料及び情報等の保管に関する標準業務手順書」に従って、論文発表後10年間厳重に保管の上、適正に廃棄いたします。なお、この臨床試験が正しく行われていて秘密が守られることを前提として、モニタリングや監査、倫理審査委員会関係者などが、必要な範囲内で、この試験に参加していただいている皆さまの 試料・情報を閲覧する場合があります。
本試験で得られたデータを別の試験に２次利用する場合は、改めてその試験計画を倫理審査委員会において審査し、承認を受けた上で利用します。この場合も、あなたの実名を出すようなことは一切ありません。あなたの病状や名前などに関する情報を含めプライバシーは厳重に守ります。
研究の参加に関するお問い合わせ先
この研究に参加をご希望の方や疑問やご不明な点がある方は下記のメールアドレスにご連絡ください。
研究参加を希望される方
タイトル欄に「神経性過食症に対する治療研究参加希望」とお書きの上、名前(ふりがな)・性別・年齢・連絡先(電話番号、メールアドレス)・電話での対応が可能な時間帯を内容欄に記載し、下記メールアドレスに送信してください。こちらから折り返しご連絡いたします。
九州大学病院心療内科
問い合わせメール：cbterct@gmail.com
担当：髙倉 修
事務担当：徳野 真奈美
連絡先住所：812-8582 福岡市東区馬出3-1-1 九州大学病院心療内科内分泌研究室
